ファーストネームとファミリーネーム

ヨーロッパ文明圏での人名は、次のように構成される。

ファーストネーム」-「ミドルネーム」-「ファミリーネーム

ファーストネーム(パーソナルネーム)

名前の一番始めに置かれるもので、「クリスチャンネーム」と呼ばれる。このクリスチャンネームは、アメリカおよびカナダでは「ファーストネーム(First name)」あるいは「ギヴンネーム(Given name)」と呼び、イギリスでは、「フォアネーム(Forename )」あるいは「バプティスマルネーム(Baptismname)」と呼ばれる。

昔は洗礼を受けた際に改名した名前を表していたが、キリスト教の広まりとともに幼児洗礼を受けた際の名前がクリスチャンネームとなった。このパーソナルネームがファーストネームであり、フォアネームとも呼ばれている。

  • ファーストネーム
  • フォアネーム
  • ギヴンネーム
  • クリスチャンネーム
  • パーソナルネーム

キリスト教圏では、パーソナルネームに「聖人・天使」に由来する名前が好んで付けられる。

例えば、「マイケル」(英語)・「ミシェル」(フランス語)・「ミヒャエル」(ドイツ語)・「ミケーレ」(イタリア語)・「ミゲル」(スペイン語)・「ミハイル」(ロシア語)・「ミカ」(フィンランド語)は、すべて大天使ミカエルに由来する名である。

その他、ポール・パウル・パオロ・パブロ・パヴェル(聖パウロ)、ルイス・ルートヴィヒ・ロドヴィコ・ルイージ・ルドヴィクス(聖ルイ)、ジョン・ハンス・ヨハン・ヨハネス・ジャン・ジョヴァンニ・フアン・ジョアン・イヴァン・ヨアニス・ヤン・ショーン(使徒ヨハネ)などもこれと同じである。

それ以外には古代ローマ人由来の名前も多く、女性については花などの名前を付けることも多い。

ファミリーネーム

名前の一番最後に置かれるのがファミリーネームであり、アメリカ・カナダでは「ラストネーム(Last name)」とも呼ばれる。

  • ファミリーネーム
  • サーネーム
  • ラストネーム

サーネーム

サーネーム(Surname)は、元々は一代限りで「あだ名」的に付けていたもので、その後、封建制の広まりとともに封地を世襲的に引き継いでいく必要が生まれたことから、土地所有者たちは土地の名前をサーネームとした。

農民は父親の名前をサーネームの位置においていたが、やがて教会により洗礼名簿が管理されるようになると世襲されるようになった。

こうして、サーネームはファミリーネームとなった。

ミドルネーム

主に同姓同名のかぶりを避けるために、ファーストネームとファミリーネームの間に置かれるのがミドルネームで、祖父母の名前や姓を使うことが多い。

またスペインでは数多くのミドルネームが付けられる。一般に「名-父の第一姓-母の第一姓」とするが、画家のパブロ・ピカソの場合、「Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz Picass(パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ)」となっている。これは聖人や縁者の名前を並べたものである。

ファミリーネームとなったファーストネーム

ただし、ヨーロッパ文明圏での人名には柔軟なものがあり、ファーストネームに使われる個人名がファミリーネーム(姓)として用いられるケースも多い。元々はゲルマン人やケルト人の間では姓がなく「父称」が用いられたことに由来し、その後教会での洗礼名簿の広まりとともに世襲化し、「姓(ファミリーネーム)」として用いられるようになった。
Category:父称姓 – Wikipedia

日本人で言えば太郎を姓にするようなものだが、ヨーロッパ圏ではそこまでの奇異性はない。ただし姓として用いられる名前はある程度習慣化されており、どんな名でも姓として用いられるわけではない。

ファミリーネーム化する際には、子孫・子供を表す「Mac- / Mc-」、「-son / -s」などが付けられることもある。マクドナルド(McDonald、MacDonald、Macdonald。ドナルドの息子・子孫)や、ウィルソン(Wilson, Willson。ウィリアムの息子・子孫)、ジョンソン(Johnson、Jonson。ジョンの息子・子孫)などがある。ほかにも「-ソン」や「-ス/-ズ」、「-キンス/-キンズ」などがある。

英語人名の短縮形

英語圏では、人名を短縮形で呼ぶことも多く、たとえばロブ (Rob)、ボブ (Bob)、ボビー (Bobby)、バート (Bert)、バーティー (Bertie) 等はいずれも短縮形であり、正式名はロバート (Robert) である。またマイク (Mike)、マイキー (Mikey)、ミッキー (Micky)、ミック (Mick) 等も短縮形で、正式名はマイケル (Michael) である。これらの短縮形を本名とする場合も多い。

さらに、この短縮形は本名と同様に扱われる。たとえば第42代アメリカ大統領のビル・クリントン(Bill Clinton)は、本名はウィリアム・ジェファーソン・クリントン(William Jefferson “Bill” Clinton)である。

同様に、第39代大統領のジミー・カーター(Jimmy Carter)も本名はジェームズ・アール・カーター・ジュニア(James Earl Carter, Jr.)であり、第73代イギリス首相のトニー・ブレア(Tony Blair)も本名はアンソニー・チャールズ・リントン・ブレア(Anthony Charles Lynton Blair)である。

この場合、ビル、ジミー、トニーはいずれも短縮形である。しかし三人共に、成人した後も公式文書に短縮形で署名しており、公的にもこれで通用している。なお、短縮形の名前を公式に使用している者の正式名を紹介する際は、正式名の名(ファーストネームとミドルネーム)と姓の間に、短縮形の名前を” “に入れて挿入するのが正式な書き方である。つまり、ビル・クリントンの場合にはWilliam Jefferson “Bill” Clintonが正式な名前となる。

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