東欧スラブ人の名前

東欧スラブ人の名前の特徴は、父称が姓として固定化した姓にある。

具体的な国名としては、スロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ウククライナなどに分かれる。

東欧スラブ人の名前は、ファーストネーム(名)+ファミリーネーム(姓)と記述し、この姓に接尾辞-ič(イッチ、イチ)がついている場合が非常に多い。

クロアチアの例

2022年のFIFAワールドカップにおいて、決勝トーナメントに進出した日本はクロアチアと対戦した。このクロアチアの代表メンバー26人の名前を見ると、実に18人の名前にイッチ、イチがついている。さらに監督のズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalić)氏にも同じような接尾辞が見られる。

この接尾辞-ič(イッチ、イチ)は、語源的には「~の息子」であり、あるいは「若い~」、「小さい~」という意味も持つ。

※なおロシアでは、この父称をミドルネームとして使っており、プーチン大統領の場合は「ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン」で”ウラジーミルの息子、ウラジーミル”を意味する。

キャプテンのルカ・モドリッチ(Luka Modrić)選手の場合、クロアチア語でModrは”青”を意味しており、これに接尾辞-ič(イッチ、イチ)が付いて”若い青”、あるいは”青の子”という意味の姓ということになる。

もともとは父称であり代々変わっていたが、いつの時代かに固定化してしまい、現在は姓として代々引き継がれる形式になっている。

例えばモドリッチ選手の場合、父:スティペ・モドリッチ(Stipe Modrić)と母:ラドイカ・ドプジ(Radojka Dopuđ)に生まれた長男である。

セルビアの例

クロアチアの隣国(ボスニア・ヘルツェゴビナが間にある)でもあるセルビアにも同じような命名規則がある。こちらも2022年FIFAワールドカップ代表メンバーを見ると、26人中一5人にこのイッチ、イチがついており、監督のラガン・ストイコビッチ氏にもついている。

このストイコビッチ監督は選手時代にも世界に名を馳せた有名選手で、ピクシー(PixyまたはPiksi)の愛称で知られた。90年代後半には日本でもプレイし、その後指導者としても日本他でチームを率いており、2021年には母国セルビア代表監督に就任した。

このドラガン・ストイコビッチ(Dragan Stojković)監督は Dobrivoje および Desanka のStojković家に生まれており、妻である Snežana Stojković との間に3人の子供がいる。

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