Catherine, Catharine〔英語〕キャサリン
- 英語圏の女性名。Katherine, Katharine。
キャスリン(Kathryn, Kathrine, Kathryne)、キャスリーン(Cathreen, Kathreen)。日本語での表記は、キャスリンやキャサリーン、カスリンやカスリーンなど。
由来
キリスト教の聖人の一人である「アレクサンドリアの聖カタリナ(Sancta Catharina Alexandrina)」に由来する。
彼女は、4世紀初めごろに若くして殉教したとされるアレクサンドリアの聖女。
文献には記述がなく出自は謎に包まれているが、一般にエジプト・アレクサンドリア知事コンストゥスの娘、あるいはキュプロスの王女カタリナなどという。ローマ皇帝マクセンティウスは50人の異教の賢者たちを送り込むが次々と論破したため、彼らの多くはすぐに殺されてしまう。さらに皇帝はカタリナに言い寄ってそれに失敗すると彼女を牢へ入れる。しかし彼女が改宗させた人々がカタリナを訪問したため、カタリナに車輪に対して手足をくくりつけ転がされるという拷問を命じた。しかしカタリナが車輪に触れるとひとりでに壊れてしまったため、彼女は斬首刑にされた。
正教会では聖大致命女エカテリナとして敬われ、ローマ・カトリックでは伝統的に『十四救難聖人』の一人とされている。ジャンヌ・ダルクと話したとされる聖人の一人。
著名人
王侯貴族
- キャサリン・オブ・ヴァロワ (Catherine of Valois) – イングランド王ヘンリー5世の王妃。フランス王シャルル6世の王女。
- キャサリン・スウィンフォード (Katherine Swynford) – イングランド王族のランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの3番目の妻。
- キャサリン・オブ・ランカスター (Katherine of Lancaster) またはカタリナ・デ・ランカステル (Catalina de Lancáster) – カスティーリャ王エンリケ3世の王妃。ランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの娘。
- キャサリン・オブ・アラゴン (Catherine of Aragon) – イングランド王ヘンリー8世の最初の王妃。スペインのカトリック両王の王女。
- キャサリン・ハワード (Katherine Howard) – イングランド王ヘンリー8世の5番目の王妃。
- キャサリン・パー (Catherine Parr) – イングランド王ヘンリー8世の6番目の王妃。
- キャサリン・オブ・ブラガンザ (Catherine of Braganza) – イングランド王チャールズ2世の王妃。ポルトガル王ジョアン4世の王女。
- キャサリン (ケント公爵夫人) (Katharine, Duchess of Kent) – イギリス女王エリザベス2世の従弟ケント公爵エドワードの妃。
- キャサリン (ケンブリッジ公爵夫人) (Catherine, Duchess of Cambridge) – イギリス女王エリザベス2世の孫ケンブリッジ公爵ウィリアム王子の妃。
芸能人
- キャサリン・オハラ (Catherine O’Hara) – カナダの女優。
- キャサリン・キーナー (Catherine Keener) – アメリカの女優。
- キャサリン・ジェンキンス (Katherine Jenkins) – イギリス、ウェールズ出身のメゾソプラノ歌手。
- キャサリン・ジャクソン (Katherine Jackson) – マイケルおよびジャネット・ジャクソンの母。
- キャサリン・ゼタ=ジョーンズ (Catherine Zeta-Jones) – イギリス、ウェールズ出身の女優。
- キャサリン・ハイグル (Katherine Heigl) – アメリカの女優。
- キャサリン・ヘプバーン (Katharine Hepburn) – アメリカの女優。
- キャサリン・ベル (Catherine Bell) – アメリカの女優。
- キャサリン・ボット (Catherine Bott) – イギリスのソプラノ歌手。
- キャサリン・マッコーマック (Catherine McCormack) – イギリスの女優。
- キャサリン・ロス (Katharine Ross) – アメリカの女優。
- キャスリン・ティッケル (Kathryn Tickell) – イギリスのフィドル奏者。
- キャスリン・モリス (Kathryn Morris) – アメリカの女優。
その他
- キャサリン・ヌデレバ (Catherine Ndereba) – ケニアのマラソン選手。
- キャサリン・ハムネット (Katharine Hamnett) – イギリスのファッションデザイナー、およびそのファッションブランド。
- キャサリン・ブロジェット (Katharine Blodgett) – アメリカの化学者。
- キャサリン・マンスフィールド (Katherine Mansfield) – ニュージーランド出身の作家。
- キャスリン・シッキンク (Kathryn Sikkink) – アメリカの政治学者。
主な派生
- 主に英語:Katherine, Kathryn, Katharine
- 主にフランス語:Catherine
- 主にアイルランド語:Kathleen, Cathleen
- 北ゲルマン語群(北欧語): カトリーン(Katrin, Kathrin)。
- 北ゲルマン語群(北欧語): カレン (Karen, Karen, Curren)、男性名カレン(Cullen)。
- カタリナ、カタリーナ(スペイン語: Catalina, イタリア語、ポルトガル語: Catarina, ドイツ語: Katarina, Katharina, など)
- カトリーヌ (フランス語: Catherine) 。
- カタジナ(ポーランド語: Katarzyna)
- ロシア語・ブルガリア語・マケドニア語:エカテリーナ、エカチェリーナ(露: Екатерина、Ekaterina)。
その他各言語において、多数の派生がある。
愛称系
ケイト(英語: Cate, Kate)
英語圏の女性名。
ケイティ、ケイティー(英語: Katie, Katee, Katy)
英語圏の女性名。
キャシー (Kathy, Cathy, Cathi, Cathie, Kathi, Kathie)
英語圏の女性名。
※カサンドラの愛称キャシー (Cassie) も日本語では同様に表記されるが、英語での発音は異なる。
キティ(Kitty)
英語圏の女性名。子猫、あるいは女性器の俗語にもなっている。
男性名カレンについて
アルメニアでは、カレン(アルメニア語: وگकڶ、IPA: [kɑˈɾɛn] )は一般的な男性名のひとつ。
このカレンは、古代イラン サーサーン朝の「七大貴族(Seven Great Houses of Iran)」のひとつ、カーレーン家(Kāren/Karin)に由来するものである。彼らの一族は、イラン神話に登場する鍛冶屋のカーヴェの末裔であるとしている。
男性名ガレン、ガレン姓
また東アルメニアでは、西アルメニアのカレン由来のガレン(Garen)が、男性名あるいはファミリーネームとして用いられることがある。
さらに、中世のソマリアで興ったアジュラーン・スルタン国の統治王家がガレン家(House of Garen)であった。