Margaret, Marguerite〔英語〕マーガレット
英語圏:女性のギブンネーム
由来
Margaretの原型に当たるマルガリテス(Margarites, ギリシア語: Μαργαρίτης)は、ペルシャからギリシャまで広く分布する印欧語由来の人名で、「真珠」を意味する。
日本で言う多年草の「マーガレット」は、フランス語のGrande Margueriteのことで、英語ではWhite Daisyと呼ばれている。いっぽう人名で使われるマーガレットMargaretの語源は、花ではなく宝石の真珠である。
著名人
カトリックにおける四大殉教聖女のひとり、聖マルガリタまたはアンティオキアのマルガリタ(ラテン語:Sancta Margarita Antiochena、イタリア語:Margherita di Antiochia、英語:Margaret of Antioch)によりこの名は広まった。
ヤコブス・デ・ウォラギネの書いた『黄金伝説』によれば、オリブリウスという名の地方高官からキリスト教信仰の放棄とひきかえに結婚を申し込まれた。しかし彼女がこれを拒んだことから捕らえられ拷問を受けることになったが、そこで多くの奇跡が起こった。たとえば、ドラゴンの姿をした悪魔に飲み込まれたとき、彼女が持っていた十字架によってドラゴンの体内が傷つき、無事に出てくることができたという。
この「苦難を乗り越えて胎内から出てきた」という伝説により、民衆信仰では妊婦・出産の守護聖人として信仰されている。ギリシャの教会ではマルガリタは「マリーナ」と呼ばれ、7月17日に祝われる。聖マルガリタ(マーガレット)への信仰は特にイングランドで盛んであり、250もの教会が彼女に捧げられている。絵画では彼女はしばしば竜から逃れる姿で描かれている。
派生
- マージョリー(英語: Marjorie)
- マルゲリータ(イタリア語: Margherita):王侯貴族の女性名に使われる他、ピザの名称にもなっている。※ウンベルト1世とマルゲリータ王妃夫妻を迎えるために作ったともいう。
- マルグレーテ(北欧: Margrete, Margrethe):
- 愛称グレタ(Greta)は、映画女優グレタ・ガルボ(Greta Garbo)で有名。彼女の本名はグレータ・ルヴィーサ・グスタフソン(Greta Lovisa Gustafsson)
- マルグリット(フランス語: Marguerite)
- マルガレーテ(ドイツ語: Margarethe):
- 異形マルゴット (Margot)、短縮形はマルガ(Marga)。愛称のグレーテル(Gretel)はグリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』 (独: Hänsel und Gretel)の兄妹の妹の名としても有名。ほかにグレートヘン(ドイツ語: Gretchen、英語では同じ綴りでグレーチェン)。
- マルガリータ(スペイン語圏: Margarita):短縮形はマルガ(Marga)
- マルギト(ハンガリー語圏: Margit)
- マルケータ(チェコ: Markéta)
- マウゴジャータ(ポーランド系: Małgorzata):愛称形はゴーシャ (Gosia) 、マウゴーシャ (Małgosia)。
愛称
マーゴ(Margot, Margo)、マギー(Maggie、McGee、Magee、McGehee)、マッジ(Madge)、メイジー(Maisie)、メーガン(Megan)、メグ(Meg)、ペグ(Peg)、ペギー(Peggy)